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エンディングノートと遺言書の違いは何か?~終活のためのそれぞれの役割分担とは

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終活というとエンディングノートを連想する人も多いと思います。

終活という言葉が世の中に広まっていくと同時に、エンディングノートもメジャーな存在になりました。

確かに、終活の一環としてエンディングノートを残しておくことはとても大切なことです。

しかし、エンディングノートを残したからといって、法的な効力は何も発生しません。

自分が亡くなったあとのことを法的な効力を持たせて残すのであれば、正式な遺言書を書いておかなければなりません。

かといって、エンディングノートを残すことがまったく無意味ということではありません。

エンディングノートにも大切な役割があります。

ここでは、エンディングノートと遺言書の違いや役割分担などについて具体的に解説をしてみたいと思います。

エンディングノートには基本的に何を書いても問題ありません

ちまたでは、エンディングノートの書き方セミナーなどが人気になっているようですが、基本的にエンディングノートには何を書いてもいいのです。

万が一のときに、「具体的にどうしてほしいのか」を分かりやすく記載すればいいのです。

記述の方法や書式などは、特に決まっていません。

市販されている専用のエンディングノートを使わなくても、普通の大学ノートなどに自分の考えをまとめてもOKですし、万が一のときにすぐに見られるようになっていれば、パソコンにデータで保存しておいてもいいわけです。

自分が老いてしまったときに、どのような介護を希望するのかといったことや、どんな終末治療を受けたいのかといったこと、あるいは死んだあとに誰に知らせて欲しいかなど、自分の考えや希望をまとめておくようにすればいいのです。

さらに、自分が亡くなったあとに、どういった葬儀にしてほしいかといったことや、お墓をどのようにしたいかなども記載しておいてもいいでしょう。

ただし、散骨や樹木葬といった一般的でない形式のものは、たとえエンディングノートに記載しあっても遺族が納得しない場合には、希望通りにしてくれるかどうかは分かりません。

家族に負担をかけたくないと思ってエンディングノートに記載したつもりでも、家族としては立派な葬式をあげて、立派なお墓を建ててあげたいと思っているかも知れないからです。

あくまでも、自分の希望ということで、強制をするような書き方はしない方が無難ですし、先ほども書きましたようにエンディングノートには法的な強制力はありません。

また、財産に関することや、通帳(銀行印)の保管場所といったようなことは、家族関係によってはエンディングノートには書かない方がいい場合がありますので注意が必要です。

遺言書に記載されたことは自分が死んだあとに法的な効力が発生します

エンディングノートには、基本的に何を書いてもいい代わりに、法的な効力は一切発生しません。

それに対して遺言書の場合は、自分自身の生前の意思表示に対して法的な効力を持たせることができるのです。

ただし、遺言書であっても、どんな事柄に対しても法的な効力が発生するわけではありません。

基本的に、遺言書に記載することで法的な効力を発生させることができるのは、おおまかに「身分に関すること」「相続財産に関すること」の2つになります。

それ以外の、終末医療に関することや葬儀のやり方などについて遺言書に記載しても、まったく意味がないことになります。

法的な効力がないのであれば、エンディングノートに記載をしておけば十分ということになります。

法的な効力が発生する身分に関することとは?

遺言書に記載することで法的な効力を発生させる身分に関することというのは、具体的には「未成年者の後見人や後見監督人を指定する」「婚姻関係にない相手との子どもの父親であることを認知する」「特定の相続人を排除する」といったことです。

残された遺族の意思がどうであれ、これらのことが遺言書に記載されていれば、法的にはそれに従うしかありません。

逆に、こういったことをエンディングノートに書いても、意味がないどころか、大きなもめごとに発展する可能性があります。

法的な効力がある遺言書に記載する相続財産に関すること

相続財産に関することも、遺言書に記載することで法的な効力を発揮する重要な項目になります。

遺産を法律で定められた割合とは違う割合で相続させたい場合などは、必ず遺言書に遺産分割の方法を記載しておく必要があります。

また、相続人以外の、友人や内縁の妻、あるいは孫といった人たちに財産を残したい場合(遺贈)にも、その方法を具体的に遺言書に残しておくことが大切です。

あるいは、遺産を福祉団体などに寄付をしたいといったようなときにも、遺言書にしっかりと残しておかなければ法的な効力は発生しません。

つまり、こういったことを、いくらエンディングノートに詳細に記載したとしても、相続人がそれを拒否すれば法的にはどうすることもできないのです。

エンディングノートや遺言書を作成するための費用

エンディングノートを作成するにあたっては、費用的なものはほとんど発生しません。

市販のエンディングノートを購入したとしても千円前後で手に入りますし、大学ノートなどを利用すれば数百円で済みます。

書き方がよく分からないというのであれば、市販の書籍を1冊購入すれば十分です。

エンディングノートの書き方セミナーを、数万円の参加費で開催しているところもありますが、セミナーに参加してまで学ぶほどのことではありません。

エンディングノートの書き方というのは基本的に自由ですし、自分が重い病気にかかってしまったり、亡くなってしまったりしたときに、家族などに知ってもらいたいことを素直に記載すればいいことになります。

それに対して遺言書の場合ですが、公正証書遺言だと数万円の費用が発生します。

財産の額によって決められている公証役場に支払う費用に加えて、手続きを代行してもらう司法書士などへの報酬が発生することになります。

自分の遺産に関することなどを法的に保護してもらうための書類ですから、数万円程度の費用がかかってしまうのは仕方がありません。

公証役場で手続きをしない、いわゆる自筆証書遺言でも、文面と署名が本人の自筆で押印があれば法的な効力は生じます。

この場合であれば、費用的にはほとんどかかりません。

しかし、自筆をよそおって偽造されたりするケースもありますので、より確実に自分の意思どおりに法的な効力を発揮させたいのであれば、しっかりと費用を支払って公正証書遺言にした方が無難といえます。

エンディングノートと遺言書の両方を残しておくのが無難

エンディングノートと遺言書はまったく異なるものであることが、お分かりなったかと思います。

エンディングノートは、重篤な病気になってしまったり、亡くなってしまったりしたときに、家族などが困らないように必要な情報を残したり、自分の希望を残したりするものです。

それに対して、遺言書は身分に関することや財産に関することを、法的な効力を生じさせるために残すものです。

これらの役割や効力などを考えた場合、エンディングノートと遺言書の両方を残すようにするのが無難といえそうです。

エンディングノートと遺言書をセットで残しておけば、自分自身も万が一のときに安心できますし、残された家族の負担やもめごとなどを減らすことも可能になるわけです。

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