終活と成年後見人制度

成年後見人の監督人から高額請求をされるトラブルが頻発!~なぜ家庭裁判所は勝手に監督人を送り込むのか?

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自分の親などの成年後見人となった人のところに、家庭裁判所から勝手に弁護士や司法書士などの監督人を送り込まれて、高額な報酬を請求されるというトラブルが頻発しているようです。

成年後見人となった人が、勝手に被後見人の財産を使ってしまうなどの問題行動があるのであれば、監督人をつけられても仕方がありません。

しかし、成年後見人として何の問題もない家族や親族に対しても、強制的に監督人を送り込んでくることが多くなっているのです。

なぜ家庭裁判所は、まったく問題のない成年後見人のところにまで勝手に監督人を送り込んで、高額な報酬を払わせようとするのでしょうか?

監督人の選任は家庭裁判所による押し売り?

成年後見人というのは、精神上の障害によって判断能力が十分ではない人が不利益を被らないように、本人に代わって財産などを管理する立場の人です。

成年後見人には、親族だけではなく家庭裁判所から選任された弁護士や司法書士などの第三者がなることもできます。

参考:成年後見人とは?~法務省

2000年に成年後見制度ができた当初は、成年後見人には親族がなるのが普通でした。

ところが、成年後見人となった人が被後見人の財産を使い込んでしまうというトラブルが多く発生したために、最近では弁護士や司法書士などの第三者が成年後見人となることが多くなっています。

弁護士や司法書士のなどの専門家が成年後見人になると、毎月数万円の報酬を支払わなければなりませんし、なかには認知症になった高齢者の財産を食いつぶしてしまうような悪徳弁護士もいます。

参考記事:あなたや親の財産が成年後見人となった悪徳弁護士に食いつぶされてしまう?
         
そんな悲惨なことにならないためにも、可能であれば親族である自分が成年後見人になりたいと誰もが思うに違いありません。

しかし、いくら親族がそのような申し出をしても、成年後見人を選ぶのはあくまでも家庭裁判所なのです。

親族である自分を成年後見人にしてほしいとどれだけ主張しても、家裁の職権によって第三者である弁護士や司法書士を成年後見人にされてしまうことが多いのです。

運よく親族が成年後見人として選任されたとしても、安心はできません。

なぜなら、家庭裁判所は、成年後見人である親族を監視させる目的で、監督人として弁護士や司法書士を送り込んでくる可能性があるからです。

先ほども書きましたように、成年後見人に何の問題がない場合でも、監督人を送り込んできたりします。

勝手に送り込まれてきた監督人は、ほとんど仕事らしい仕事をせずに、毎月高額な報酬を請求してきます。

まさに、家庭裁判所による押し売りといってもいいでしょう。

信託銀行に預けないと職権で監督人を送り込んでくる家庭裁判所

成年後見人になっている親族のところに、家庭裁判所が監督人を送り込んでくるのは、基本的に被後見人の財産がたくさんある場合です。

成年後見人として問題がないと思えるような人であっても、「つい出来心で」使い込みをしてしまうことを警戒して、監督人を送り込んでくるわけです。

ただ、そうはいってもいきなり監督人を送り込んでくることは多くないようです。

最初は、被後見人の日常生活に必要なお金だけを残して、信託銀行に財産を預けるように指示してきます。

信託銀行にお金を預けさせて、家庭裁判所の承認なしには、後見人であっても預金を引き出すことができないようにするわけです。

これを「後見制度支援信託」、あるいは省略して「後見信託」といいます。

信託銀行に預けることによって、成年後見人となった親族の人が、被後見人の財産を勝手に引き出すことはできなくなりますので、不正防止のためにはとてもいい制度であるように思う人もいることでしょう。

しかし、この「後見制度支援信託」にも大きな問題があるのです。

信託銀行に預けたお金を、被後見人の生活費のために定期的に引き出す必要があるのですが、その手続きを家裁に対して行うためには、弁護士や司法書士などの専門職に依頼をしなければなりません。

そういった専門職に仕事を依頼すれば当然のことながら報酬が発生します。

なかには、この手続きだけで司法書士から20万円もの高額請求をされたという人もいます。

生活費のためのお金を引き出すための手続き費用として、20万円も請求されたのではたまったものではありません。

そういった無駄な出費はしたくないとの思いから、信託銀行に預けることを拒否する人も当然でてきます。

すると、家庭裁判所は監督人を送り込んでくるのです。

監督人を送り込まれると、その監督人である弁護士や司法書士に報酬を支払わなければならなくなりますので、どちらにしても強制的に報酬を支払わされることになるのです。

家庭裁判所が勝手に送り込んできた監督人から14万円の請求

2017年7月の朝日新聞に、監督人に高額請求をされた64歳の主婦の投稿が掲載されていました。

この女性は、4年前から自分の母親の保佐人をしていました。

保佐人というのは、成年後見人を必要とする人よりも、症状が軽い人のサポートをする立場の人です。

保佐人も、成年後見人と同様に家庭裁判所から選任されます。

この母親の保佐人をしていた女性のところに、家庭裁判所からある日突然「司法書士をあなたの監督人に選任した」という通知が送られてきたのだそうです。

その後、監督人となった司法書士は、電話で何回かお話をしたのと、1回だけ面接をしたのみで14万円の請求書を送ってきたといいます。

勝手に監督人を送り込んできて、ろくな仕事もしない司法書士から14万円もの請求をされてしまったのですから、この女性が新聞に投稿したくなる気持ちも分かります。

また、関東に住むある50代の男性は、両親が2人とも認知症になってしまったことから、自分が父親の後見人となり、弟が母親の後見人となっていました。

ところが、家庭裁判所から突然、「後見信託」を利用するように言われ、それを拒否すると職権で監督人をつけられてしまいました。

その結果、監督人となった弁護士から、両親2人分の報酬として毎月6万円を請求されることになってしまったのです。

その弁護士が、両親の後見人である男性と弟に会ったのはたった1度きりで、時間的にはわずか数分だけでした。

その後1年間にその弁護士がやったことといえば、男性と弟が作成した財産目録に目を通し、通帳を確認しただけです。

時間にすると、1時間程度の仕事です。

たったそれだけの仕事のために、毎月6万円ずつ、1年間で72万円もの報酬を払わされるわけです。

この報酬の支払いは、両親が亡くなるまでずっと続くことになります。

しかも、弁護士がその報酬額をもらうことを、家庭裁判所が認めているのです。

この兄弟は、報酬の支払いに合理性がないとして、支払い拒否の姿勢を示しています。

結局どの方法を選択しても弁護士や司法書士に報酬が発生する仕組み

成年後見人に第三者である弁護士や司法書士が選任されると、毎月報酬を支払わなければなりません。

かといって、親族が成年後見人になったとしても、「後見制度支援信託」を利用するように迫られ、信託銀行からお金を引き出す手続き費用として弁護士や司法書士に高額な報酬を支払うことになります。

「後見制度支援信託」の利用を拒否すると、今度は勝手に監督人を送り込まれ、ほとんど仕事らしい仕事をしない弁護士や司法書士に毎月報酬を払わされることになるのです。

つまり、成年後見制度を利用するということは、結果的にどの方法を選択しても弁護士や司法書士に報酬を支払わされることになってしまうわけです。

成年後見人になった人の使い込みを防止するという大義名分は理解できますが、あまりにもやり方が強引ではないでしょうか。

家庭裁判所の理不尽なやり方に「裏に何かあるのではないか」と、勘ぐってしまう人も少なくないはずです。

弁護士や司法書士の人にとってみれば、これほどおいしいビジネスはないからです。

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