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高齢者施設を強制退去になってしまうのはどんなときか?~周囲とのトラブル・長期入院・利用料の滞納

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特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの高齢者施設に入居をすることができたとしても、必ずしも一生涯そこに住み続けることができるとは限りません。

さまざまな理由によって強制退去となってしまうこともあるのです。

高齢者施設を終の棲家と考えている人にとっては、強制退去というのは想定外かも知れませんが、これは誰にでも起こり得ることなのです。

具体的に、どのようなケースだと高齢者施設を強制退去になってしまうのか考えてみたいと思います。

長期入院となったり継続的な医療行為が必要になったりしたとき

介護サービス付きの高齢者施設であれば、認知機能に問題があって自立して生活することが困難であったりしても、受け入れを拒否されることはありません。

特定施設であれば、24時間つねに看護職員によるケアを受けられるので、食事や排せつ、入浴などを自力で行うことができなくても問題なく入居をすることができます。

しかし、継続的に点滴やたんの吸引などの医療行為が必要になった場合は別です。

なぜなら、高齢者施設には医師や看護師などが24時間体制で配置されることは、通常はないからです。

24時間体制でケアにあたってくれる人は、あくまでも介護の職員であり、医療関係者ではありません。

そのため、継続的な医療行為が必要になった時点で施設を強制的に退去をさせられることになります。

また、長期間の入院をすることになった場合にも、基本的には退去になります。

特別養護老人ホームの場合は、3ヵ月以上の入院で退居となるのが普通です。

ただし、退去を求められる入院の期間に関しては施設によって規定が異なりますので、入居の際に確認をしておくといいでしょう。

高齢者施設内で周囲とのトラブルが増えると強制退去になります

施設内で他の入居者や職員などとのトラブルが増えてくると、強制退去となることがあります。

暴力を振るったり暴言を吐く、あるいは大きな声で奇声を発したりするなどの迷惑行為が続くと、入居を継続することは困難となります。

入居時には特に問題のなかった人であっても、だんだんと認知機能が低下するにしたがって、職員に咬みついたりなどのトラブルを頻繁に起こしたりすることがあります。

また、認知機能的には問題のない人であっても、人とうまくコミュニケーションが取れない性格の人であったり、慣れない生活環境でのストレスをためてしまったりといったことで、頻繁にトラブルを起こしてしまうこともあるようです。

施設側としても、通常の介護体制ではトラブルを防止することが困難であるとの判断になれば、強制退去もやむなしということになります。

施設の利用料が払えなくなると強制退去になります

高齢者施設は、入居者が支払う利用料によって運営されています。

そのため、利用料を支払うことのできなくなった人を、ずっと入居させておくわけにはいきませんので、強制退去という形になってしまうことがあります。

高齢者施設では、入居者の経済状況を確認したうえで入居の受け入れをしていますが、なんらかの事情によって経済状況が変わって月々の利用料が払えなくなってしまうことがあります。

本人に支払い能力がなくなってしまった場合には、入居時に連帯保証人や身元引受人となっている人のところに請求がいくことになりますが、もしそういった人たちが支払を拒否するようだと残念ながら強制退去となってしまう可能性が高いといえます。

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施設の閉鎖や規模の縮小で退去を迫られることもあります

入居者側に何の落ち度がなくても、強制退去となってしまうことがあります。

それは、高齢者施設が閉鎖をしてしまったり、施設の規模を縮小したりするケースです。

まさか自分が入居をした施設に限って閉鎖などないだろうと楽観的に考える人もいるかも知れません。

しかし、最近は老人ホームなどの高齢者施設の倒産が増えているのです。

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介護事業は慢性的な人手不足ということもあり、経営状態が悪化してしまう高齢者施設は今後ますます増えて行く可能性があります。

入居の際には、万が一のことも想定をしておかなければならないでしょう。

要介護度が低くなったとき

特別養護老人ホームの場合、要介護3以上の人が入居の条件となっています。

そのため、入居のときには要件を満たしていたにもかかわらず、入居中に症状が改善して条件を満たさなくなれば、退去をさせられることもあります。

要介護3というのは、歩行や食事、排せつ、入浴などの際に全面的な介助が必要な状態とされています。

もし、入居中にこれらのことが自分で出来るようになったりして、要介護1や要介護2に改善した場合には、退去を求められることがあります。

特別養護老人ホームの場合には入居できずに待機している人も多いので、条件を満たさなくなった人をずっと入居させ続けることはできないのです。

しかし、最近では空きのある特別養護老人ホームも意外に多いようなので、そういった待機者の少ない地域の特養であれば、要介護1や要介護2であってもそのまま残れる可能性はあります。

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退去時には原状回復を求められることもあります

高齢者施設を強制退去となってしまった場合、思わぬ費用が発生することがあります。

それが、いわゆる原状回復費用と呼ばれているものです。

これは、アパートやマンションなどの賃貸住宅でも同様ですが、部屋を出て行くときには、入居したときと同じ状態にして出て行く必要があります。

故意や過失によって、壁や床を汚してしまったり傷をつけてしまったりしたときには、元の状態に戻さなければなりません。

もちろん、部屋の中を改造したり棚などを設置したりした場合も、もとの状態に戻す必要があります。

終の棲家にするつもりで、部屋の中を自分の好きなように改造してしまっていたりすると、退去時に思わぬ出費がかさむことになりかねません。

ただし、通常の使い方をしていて、経年劣化によって畳や壁などが汚れてしまったものに関しては原状回復の義務はありません。

しかし、悪質な施設になると、本来は施設側で負担すべき自然劣化による壁紙や畳の張り替え費用なども入居者に負担させたりすることがありますので、注意が必要です。

参考:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について~国土交通省
      

強制退去になってしまったらどこに入居すればいいのか?

高齢者施設を強制退去させられることになった場合、次の入居先を探さなければなりません。

次の入居先は、強制退去になった理由によって変わってきます。

継続的な医療行為が必要になってしまったことが強制退去の理由であれば、24時間にわたって医療行為を受けられる介護療養型医療施設(療養病床)などに入居する必要があります。

ただし介護療養型医療施設は、介護保険で入居できる施設のなかでは、入居費用が最も高くなります。

要介護度が低くなったことによって、特別養護老人ホームを出なければならなくなってしまった人は、要介護1や要介護2で入居が可能な施設を探す必要があります。

老人健康施設(老健)、介護療養型医療施設、グループホーム、介護付き有料老人ホーム、介護型サ高住などが対象になるでしょう。

また、高齢者施設が閉鎖や縮小をすることで退去になるケースでは、施設側で次に入居する施設を斡旋してくれることもあるようです。

条件などがあえば、そのまま新しい施設に入居すればいいでしょう。

ただし、引っ越しにかかる費用などは入居者の負担となってしまうのが普通です。

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